さて10日間、観光もろくにせず、何をしていたかというと。
実はブドウを収穫している。毎日8時間、ブドウブドウブドウ…。
そんなブドウの収穫の初日、その場にいたイタリア人全員に『ボンジョールノ』なんて言いながら挨拶してたら、ある一人の白色の肌の青年が『I know. We meat at your home』なんていってきた。
なに言ってるの?叔母の家にでも来たのだろうか?覚えてないな。
後々、叔母から話を聞くと、私は彼と本当に自宅で会っていたらしい。
なんと彼、私の姉の元彼氏だったとか。
私の姉はイタリアが好きで、何年かごとにイタリアに行っては、叔母と共に過ごしていたらしい。
ちなみに私と姉との仲は最悪、何年間も口を聞いていないというほど。
そういえば一度、姉が家に白人を連れてきたことがあった。
姉は、私が友人を連れてくると不機嫌になる。
当然、私も姉が友人を連れてくると不機嫌になる。
ましてや異国の人、どう接すればいいのかわからない、当時外国人不慣れだった私。
『忘れちゃったの?確か君は寝起きで不機嫌だったね。』
『どんなカルマだよ...』と内心思いながらも。英語ができる人が少ない人々の中で、彼が英語が上手だったこともあり、また日本という共通の話題もあったために、彼とはたくさんのお喋りをした。
ちなみにイタリア人はビーチが大好き、夏になれば皆海に行き、体を焼く。
しかし、肌が白く、日に当たると痛痛しく赤くなる彼にとってはビーチは敵。
『日差しだろ?塩水だろ?最悪だよビーチなんて』
黒ければ黒いだけモテるというイタリア人の中で、彼の白さと金髪はあまり普通じゃないらしく、人々からも
『モッツァレラチーズ』
なんていってからかわれるのだと。それを聞いたときは思わず笑ってしまった。さすがはイタリア。
日本で『豆腐』と名付けられるようなものだろうか?
そんな彼、確実にオタク。
コンピューターが好きで、うる星やつらが大好き。
でもオタクっていうと全力で否定する。
『だってそれはネガティブな意味があるだろ?』
私も説明する。
『昔はね、最近はそうでもないよ。最近はオタクの方がモテたりするんだよ。皆アニメとか好きだしね』
そういえば日本のアニメは本当にすごい。
イタリア人の従兄は欠かさずワンピースとナルトを見ている。
北斗の拳も、ドラえもんも伝わる。
きっとこうやって、友人を作り、仲が良くなればなるほど、離れるのがつらくなるのだろう。
現に私はもうシエナの人々、食べ物、環境が恋しくてたまらない。
続く…
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もうそこで住んでしまえばいいんじゃない!
住んでしまっちゃおう!
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シゲさん
僕は、永住地を求めて移動してきたわけじゃないんです(笑)