2-17. トイレの神様-ルンビニ-

P1020310

ルンビニの韓国寺での生活は、激動の三週間に比べると、とても健康的なものであった。

朝6時には目覚め、ベジの食事と果物、洗濯物をした後に、ベジの食事と果物、本を読み、ベジの食事と果物、そしてお祈り。

9時半には床に就くことになる。

いつの間にか私はベジの食事と果物という食事スタイル。
水でケツを洗うことに慣れてきた。
よもや、肉の存在意義すらわからなくなってる始末である。

同部屋の韓国人も、実に優しく、知ってる日本語、アニメ、女優を羅列して話しかけてくれた。
他国の文化を知るということは、見習わなければいけないと思った。彼らは旅が長いだけに、フランス人にはフランス語で、スペイン人にはスペイン語で挨拶出来るのだ。

韓国寺はバックパッカーには人気の場所のようで、世界各国から多くの人が泊まりにきている。

その中に、タトゥーまみれのスペイン人がいた。
姉御肌という感じのスペイン人は、世界各国に行きながら、全身にタトゥーをいれているようだ、いかにも強そうなのに、ホタルを見に外に散歩に出る時に、怖がっていた。かわいい、スペイン人と結婚したいと思った。

居心地のいい場所だからと、長居をしてはいけない、私の旅にはリミットがあるのだ。

次の日の朝、寺を出る。
韓国寺の受付のネパール人は笑顔で見送ってくれた、料金は一泊300Rsだった、安いが、情報は常に変わるものである。

タクシー、バスと乗り継ぎ、ゴーラクプルについた私はジェネラルと言われる、旅行者向けではない安車両の券を買い、乗っている。
デリーまで20時間弱、私はトイレとトイレの間という車両の中で最も人々が嫌うスペースで、そこを縄張りにしていた神様に気に入られて座っている。

誰かがトイレに入ろうとすると、『くせぇからすんじゃねぇよ!』的なこと言って怒る、理不尽にも程があるが、匂いと不衛生さを我慢すれば、居心地は最高である。

あと15時間、列車は走る、走る…走る。
デリーを目指して。
続く…


Hokuto Aizawa
世の中にあきれられた一人の男が、世界を半周した後、北国カナダのトロントにて庖丁に出会う。日本に帰国後、ふらふらしながらも目の前にある美しい事々を見逃さないように暮らす。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です