2-7. 美しく退屈な街-上海-

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私は本日から残りの三日間を上海のもっとも美しい場所と言われるところで過ごすために宿を変えた。
外難地区、アジアの観光地の一つ、夜景が有名なこの地区では多くの外国人が訪れて休暇を楽しんでいる。
私は先日、この地を訪れてはいたのだが、そこでチンチン事件が起きてから足を運べずにいた。
しかし上海に来てこの地の夜景を見れないとなってはもったいないだろうと、20元多く払ってでもその地の近くの宿に移したのだ。
小南門の宿の女の子と親しくたったばっかりだったため、寂しくもあったが、日本語を話せる従業員がいない場所でも無事泊まることができるのか、試したくもあった。

結果としては、無事チェックインすることができた。

この場所は南京路駅まで5分、外難といわれる場所へは1分とかからない。
さらに6階にあるバーからは外難の景色を一望できるのである(最低でも45元のドリンクを頼まねばならないが。)。 今その場からこのブログを更新している。

さて。ここで半日過ごした私の感想は『退屈』である。
この地はそのほとんどが外資によって占領されていて、観光場所で食事や茶をいただこうにも、あるのはローソンやスターバックスコーヒー、サブウェイだったりする。
市場などは当然のようになく、小汚い中華料理屋も少し裏道に入って探さないと見当たらない。

小南門の宿は出ればそこが市場の中心であったし、クラクションが鳴り、ビールが5元で飲めた。

ここでは休暇で訪れた人々がのどかに過ごしている。

この場所にあって、美しいのはむしろ川の向こう側、浦東地区の景色ではなく、こちらがわの建物の数々だ。
植民地時代に建てられたのであろうヨーロッパ風の立派な建物の数々は何年たっても色あせないであろう立派なものであるし、一番高いところにある時計台は時間になると美しい音色を奏でてくれる。

勘違いした中学生の服装のような、そんな卑猥な形と色から成す立派な建物の数々は、それ自体が上海の混沌を表してくれてはいるが、何年も形を変えずにその場にある立派な建物の美しさに比べるとたいしたものではない。

ちなみに私はここに来るまで、多くの人から中国人の性格の悪さを聞いたことがあった。
片づけない、汚い、すぐ怒る…

前に、ここの人間にとって路上はごみ箱同然だといったが、それもそのはず。
50mごとに清掃員がいて誰かがごみを捨てようもんなら、すぐに掃除してくれるのだ。わざわざごみ箱まで捨てに行く必要もない。

また、彼らは観光地で働いていても観光客のために英語を話してあげたり、ゆっくりはなしてあげたりはしない。
私にとってはそれが心地いいのだが。不機嫌に接客して怒っているかのように話かけてくる。
私が紙に『   元』と書くと値段を書いてくれてお金を渡すと商品を渡してくれる。
そして『謝謝』というとニッコリ微笑んでくれる。『別にいいのよ』的なことをたぶん言って。

日本風に言えばツンデレである。私はここにきて何人の中国人に恋をしてしまったことか。
あまり栄えてないであろう中華料理屋に入り、10元前後の安い料理を注文すると、彼らは必ず『これだけでいいの?本当にいいの??』的なことを言ってくる。
この国では一人で来て一品しか頼まないなんてことはないのだろう、中華料理とは本来数人で分けながら食べるものである。

しかし、そこで絶対に二品以上注文してはいけない。

一品でも出てくる量は吉野家の並盛程度である、それにだいたい2元の飯をもらって平らげる。
一日一回食べれば過ごせてしまう満腹感である。

中華料理は辛いというイメージがあったが、少なくとも上海においては、あまり辛さは感じない。
唐辛子の塊はたくさん入っているのに、なぜなのだろう?
しかしあの油っこい料理を食べると、甘味がほしくなる、屋台を回ってもあまり甘いものは売っていない。
あっても油餅がゴマの自然なほんのり甘さであるだけである。

しかし、多くある果物屋が果物を剥いてうっている。
それらを食べれば十分である。

私はダイエットを を決意しながらもお菓子をむさぼる日本の女性たちにはぜひ、中国を旅することをお勧めしたい。
このような食生活と、私のように街を歩きまわれば当然のように痩せるだろう。

そのため、上海には太った中国人があまりいない。

本日は対して面白味もないことしか書けない、これは私の行動力のせいなのだろうか、それともこの街のせいなのだろうか。

明日はきっと何かがあればいいと思いながら美しいであろう夜景を堪能しようと思う。

続く…


Hokuto Aizawa
世の中にあきれられた一人の男が、世界を半周した後、北国カナダのトロントにて庖丁に出会う。日本に帰国後、ふらふらしながらも目の前にある美しい事々を見逃さないように暮らす。

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