2-2. 中国式ディズニーランド-西塘-

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私は今回、特に中国にあたっては父親から様々な人を紹介していただいたのだが。
その中に、仕事を辞めて中国を回っているという人がいた。
『上海なら二日で見終わってしまう』と言われて、少し発展していないところにも行ったほうがいいといわれて、今日きたのが西塘と言われる場所であった。

私は田舎を想像していた、いうなれば日本の四国のような、田舎であるが美しい、そんなところかと思ってきてみたのが違った。

バスで約一時間、30元かけてやってきたその場所は、バスステーション付近は何もない 世紀末チックな場所であった。
『ここのどこを観光するんだろう』と思っていると、人の好さそうなおばさんが声をかけてきた。
『宿を探している』と『宿』という漢字を書くと、身振り手振りで
『100元だけど、私と一緒に行けば50元になるわ』
と言ってきた。
50元なら許容範囲だと思い、ついていくと人が多い場所に連れられて50元渡せと言ってきたのだ。
何てことだ、ただの案内役だったのだ。
『宿だっていったじゃないか!』
というのだが、まったく通じない。というか宿といったのすら怪しい。

しかしついていったしまった私がいけないのだと思い、50元渡してしまった。

だけども彼女がぼったくりをするために近寄ってきたとはどうしても思えないでモヤモヤした気持ちでいると
また気のよさそうなおっちゃんが話しかけてきた。
今度は宿と書いた上に寝るポーズをとると
『ついてこい!』
と言わんばかりに歩き始めた。
そのスピードに『今度は案内じゃぁないよな』
と思い馬鹿みたいにまたついていってしまった。

ついた先は正真正銘の宿であった。
120元と言われたところを100元にしてもらった。
予算オーバーであるが、テラス付で目の前に運河が流れているシャワートイレのある一人部屋と思うとこの上なく安かった。

しょうがないと思ってお金を渡し、外に出てみて歩いていると先ほどのおばちゃんの意味が分かってきた。

ここは中国のディズニーランドなのだ。
京都の清水寺の栄えている坂道を考えてほしい。それが原宿規模のサイズに広がってあるのだ。
そしてその道の終わりに行くと『出口』という看板がある。
入るために本来金が必要だったのだ!

おばちゃんは裏道をすいすっと抜けてしまったためにその検問に合わない道をしっていたのだ。
私は入場料の半額をおばちゃんに払い、裏道を教えてもらったようなものだ。

納得して宿についてみても、中国人の人の好さがどんどんあらわれてくる。
宿の人は、見晴らしのいいテラスで茶を進めてくれるし、洗濯物があれば干してくれた。

『中国人は性格が悪い』といったのは誰だったか。

それが一人っ子政策によるものだというなら、そのような政策は愚の骨頂である。
運河を運ぶ運転手は皆同じ制服を着ているし、多くのパフォーマーまでいる。

ここはディズニーランドなのだ、そのため誰かが写真を撮っていると皆足をとめる。
違うことと言えばネズミではなくて、ドラえもんやワンピースのキャラクターがいること
西洋風でなくて、京都風だということ。

それ以外は物価の高さにおいても(宿以外は)土産物が平気で50元する。
そして京都の八つ橋波に同じものを売っていたりする。

そういえば、案内をしてくれたおばちゃんの口臭が臭すぎて私はつらかったのだが
この場所もそこかしこで似たような匂いがする。
私は中国人の歯の衛生管理の悪さがそこかしこで公害をもたらしてるのかとおもったのだが
歩いていて原因がわかった。臭豆腐だ。
揚州チャーハンを食べながら匂っただけでも吐き気がしたため、私にはチャレンジする勇気はないが。
きっとその匂いと引き換えにでも食べたいのだから、よほど美味しいのだろう。

私はディズニーランドに来たつもりでここを堪能しようかと思う。
私の卒業旅行だ、罰はあたらないだろう。

続く…


Hokuto Aizawa
世の中にあきれられた一人の男が、世界を半周した後、北国カナダのトロントにて庖丁に出会う。日本に帰国後、ふらふらしながらも目の前にある美しい事々を見逃さないように暮らす。

2件のコメント

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    いつの間にやら、なんともうらやましい。いっぱい見て来て土産話を!

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