2-25. あなたはどう思う?-ラホール-

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今、ラホールのリーガルインターネットインという安宿に泊まっている。
ちなみにラホールでは泥棒宿の多さから、ここか少し割高のもう一つの宿以外はバックパッカーにあまり使われていない。
キッチン・wifi・洗濯機がつき水飲み放題のこの場所は、この宿のせいで何日でも滞在したくなるほどである。

しかし、この宿と隣の宿合わせても、現在ブリティッシュとオーストラリアンとスパニッシュと私しか滞在していない。
このツーリストの少なさである。

三人の白人と私と宿のパキスタニーで話していると、オーストラリアンの老人が最初に『中国をどう考える?』と聞き出した。次の質問は『インドをどう思う?』だ。

私は白人たちの流暢な英語を理解するこができない。しかし、彼らの世界への理解に対する熱心さだけは伝わってきた。

私も、問いたい。皆に。
中国をどう思う?韓国をどう思う?ロシアをどう思う?

日本の今後の成長を妨げる原因として、移民受け入れの少なさがあると聞いたことがある。
我々には焦りを感じさせるライバルが、国内にいない上に、隣国とは海を隔たっているために、直にその勢いを感じることが出来ない。

上記の問いに対して、私は明確な答えをすることはできないと思う。
なぜなら、私を始め、多くの人が隣国に対する見解をもっていないからだ。

私は、歴史という過去の産物にまったく興味を持っていない。
もちろん、それが今なお続く伝統を有しているなら別だが、 過去に置き去りにされたいざこざで、何かが妨げられるなんていうのはこの上なく阿呆なことだと思うからだ。

それらの過去を置き去りにしたうえで、皆は『今』の隣国をどう思うだろうか?

私は韓国を飛ばしてここに来たことをすこし後悔している。
日本を知るためには、韓国を旅することが一番であったはずなのだ。

しかし、私には皆にできない見解を持つ一つの可能性が残されている。

『日本をどう思うか』

その問いを外国人に聞かれたときに、明確に答えられるようにするのが私の目標の一つである。

綺麗ごとでもなければ自虐でもない、本当の日本を語りたい。

ちなみにこの宿から見下げるラホールの町並みは、東京のそれと何も変わらない。
人があふれ、夜を楽しんでいる。

明日の朝になるのが楽しみだ。私はたとえ気温が50度を超えようが、足でこの町を回ってやろう。

『パキスタンの大阪』とコーディネータが言ったこの町を。

続く…


Hokuto Aizawa
世の中にあきれられた一人の男が、世界を半周した後、北国カナダのトロントにて庖丁に出会う。日本に帰国後、ふらふらしながらも目の前にある美しい事々を見逃さないように暮らす。

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