2-26. 津波-ラホール-

P1020495

苦いマンゴーのせいなのか
ハエ集るカリーのせいなのか
40度超える猛暑のせいなのか
不味いフリーウォーターのせいなのか
アイスやジュースを過剰摂取したせいなのか。

私は寝込んでいる。
1時間に一回、ファンが泊まるとサウナになるラホールの安宿で。
体調を崩すにしても、もう少し気温の好いところで崩したかったと思ったが。
インドの猛暑で500人死亡とのニュースを拝見し、私に逃げ道なんてなかったのだと思った。

下痢は、パキスタンに入ってすぐにもなったが、その時は友人がインドの薬をくれ、見事に治った。
それに、その時はケツ周りが液状化現象に陥っただけの、緩いもので会った。

しかし、前日にスパニッシュの老人が作ってくれたスペイン料理を、食べすぎてしまった。
ボクサーであり、スタントマンだったという66歳のスパニッシュはパキスタンのジムでも毎日鍛えているというその体を持ちながら、スプーンが進まないと『美味しくない??』と葉巻を吸いながらしょんぼりしてしまう。

そんな彼がかわいくて、全部食べてやろうと思っていたら、その直後にやってきた。

爆撃音のような屁と同時にやってきたそれは、水であった。
『あーあ…』
そうは思ったものの、私は翌日、街に出てはラッシーを飲み、猛暑の中歩いていた。

『下痢?なーに、心配ないよ。パキスタンの料理はね、油っこいでしょ?それが腹にたまって、熱いから水をがぶ飲みすると下痢になるんだ、一日何回だい?』

そうオーストラリアンの老人に聞かれたので

『今日だけで6回以上は…』

と言うと『それは問題だ…』と言って『気を付けて』と言ってくれた。

『下痢にはバナナが一番』と言われるので、辛いながらもバナナを探し、現在それと水で生き延びられている。
吐き気も催し、頭も少し痛い。
体温がこの上なく上昇しているような気もするが、それは病気のせいなのか、暑さのせいなのか、定かではない。

もちろん、現在はこの更新をするまでは回復しているが、
私にはイランに入国するための準備があり、明日の夕方にはクエッタ行の切符を買ってしまっている。

こんなに急ぐんじゃなかったな…

そう思いながらも、トイレがある列車にしたことと、クエッタがここよりも少し涼しいという情報は、私の中の数少ない救いである。

あぁ、シュークリームが食べたい…。

続く…


Hokuto Aizawa
世の中にあきれられた一人の男が、世界を半周した後、北国カナダのトロントにて庖丁に出会う。日本に帰国後、ふらふらしながらも目の前にある美しい事々を見逃さないように暮らす。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です